この記事は、「介護保険の申請〜サービス開始まで」を読んだあとに、
多くの人がつまずく“次の疑問”を、会話の形でまとめたものです。
こんな方に向けています
- 親が「大丈夫」「介護なんていらない」と言って進まない
- 「認知症扱いするな!」と怒って、検査や受診を拒否する
- 家族(自分)が先に限界で、でも次の一手が分からない
登場人物
- 私:親の介護をしている家族。もう限界が近い。
- ニモ:制度の入口を整理して、現実的に進める案内役。
会話:親が「大丈夫」と言うのに、私が限界なとき
私:
介護保険の記事、すごく役立ちました。
でも、ここが一番きついんです。親が「大丈夫」って言うんですよ。
こっちはもう限界なのに、どうしたら…。
ニモ:
そこが“いちばん多い壁”です。
結論から言うと、親の同意を完璧に取ってから進めようとすると、長引きやすいです。
なので順番を変えます。説得ではなく、家族が先に「支援の入口」を作るのが現実的です。
私:
入口って、具体的には何ですか?
ニモ:
まずはこれです。
地域包括支援センターに相談して、ルートを確定する。
「本人が拒否する」前提で相談して大丈夫です。むしろ、そのケースをたくさん見ています。
今日できる一歩(いちばん軽い)
地域包括支援センターに電話して、こう言うだけでもOKです。
「親が“介護はいらない”と言って進まないのですが、家族が限界で、どう動けばいいですか?」
会話:親が「認知症扱いするな!」と怒るとき
私:
うちはさらに厄介で…。
「私を認知症扱いするなんて!」とか、「私は認知症じゃない!検査儲けに行かない」って言うんです。
ニモ:
その反応は、“認知症という言葉”に対する恐怖やプライドが刺激されている状態です。
ここで真正面から「認知症だから検査」と言うと、ほぼ揉めます。
なので作戦は一つ。「認知症」というラベルを外して、別の名目で入口を作るです。
私:
別の名目…?
ニモ:
例えばこんな言い方です。
- 「認知症かどうかじゃなくて、体調チェックを一回しておきたい」
- 「最近転びやすいから、安全の確認をしてもらおう」
- 「薬も増えてきたし、薬の整理も兼ねて診てもらおう」
- 「退院後(今後)のために、生活が回るかの確認をしたい」
大事なのは、「認知症」かどうかの勝負をしないことです。
親が「認知症じゃない!」と言ったら、家族はこう返します。
火消しの返し言葉(そのまま使えます)
- 「決めつけたいわけじゃないよ。私は生活が回るかが心配なの。」
- 「検査を受けてって言いたいんじゃなくて、体調の確認をしたいだけ。」
- 「今日は結論を出さなくていい。まずは相談だけにしよう。」
会話:じゃあ受診は無理? 入院中に検査しかない?
私:
正直、説得は無理です。
私はもう、何かの病気で入院したときに、入院中に検査してもらう方向しかない気がします。
ニモ:
その発想は、かなり現実的です。
入院中は「検査」「評価」「薬調整」が自然な流れなので、本人の抵抗が少ないことがあります。
ただ、入院を待つ間に家が崩れ続けると、家族が先に折れやすい。
だから、こう組み合わせるのがいちばん強いです。
- 入院は“最大のチャンス”として狙う
- その前に、家族だけで下準備(窓口・メモ・相談先)を済ませる
私:
下準備って、何をしておけばいいんですか?
ニモ:
これだけで十分です。
- 地域包括に相談して、地域の最短ルートを押さえる
- かかりつけ医がいるなら、家族だけで状況共有(紙メモでOK)
- 週1でいいので「困りごと」を短く記録(夜間、転倒、疑い、探し物など)
そして入院が来たとき、病棟ではこう言います。
「認知症検査をしたい」ではなく、安全評価として頼むのが通りやすいです。
入院中に伝える一言(家族→病棟)
「入院中の混乱や転倒が心配なので、退院後のためにも認知機能を含めた安全評価をお願いできますか?」
ここで効くのが「家族メモ」です。口頭より、紙が強いです。
家族メモ(1枚テンプレ)
- いつ頃から変化があるか(例:半年〜1年)
- 具体的な困りごと3つ(例:疑い、怒り、同じ話、薬の管理)
- 危険(転倒、火、運転など)
- 受診拒否の言葉(例:「認知症扱いするな」)
- 目的:「診断名が欲しい」より「生活を回す支援につなげたい」
会話:それでも介護保険は進めていいの?
私:
でも…認知症の検査ができてないのに、介護保険って進められるんですか?
ニモ:
進められます。介護保険は、診断名そのものより、生活上の困りごと(移動・排泄・認知・見守り負担など)をもとに評価されます。
だからこそ、「検査で白黒をつけてから」ではなく、生活を回すために先に支援を入れるという順番が現実的です。
私:
なるほど…。じゃあ私は、親を言い負かすんじゃなくて、外部の手を入れる方向で動けばいいんですね。
ニモ:
その通りです。
「親を変える」より、「家族が消耗しない形」を作るほうが、結果的に長く持ちます。
最後に:今日やるなら、これだけで十分です
- 地域包括支援センターに電話して、入口を作る
- 困りごとを箇条書きでメモ(3つでOK)
- 親には「認知症」ではなく「体調チェック」「安全確認」の名目で話す
関連:親が「大丈夫」と言うけど私が限界…介護保険を最短で動かす手順(申請〜開始)
※本記事は一般的な考え方の整理です。安全に関わる危険(徘徊、運転、火の不始末、暴力等)がある場合は、早めに地域包括支援センターや自治体窓口へ相談してください。
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